「生きて帰ってきた男」は、著者・小熊英二氏(慶応義塾大学教授)が実父である小熊謙二氏(1925ー)の生涯をオーラルヒストリーの手法で描いたものです。第14回小林秀雄賞受賞作品。
19歳で陸軍に召集され満州に渡った小熊謙二、そこでソ連軍の捕虜となり、シベリアで3年間の抑留生活を送る。帰国後、今度は肺結核を患い5年間の療養所生活。その後職業を転々とする「下の下」の生活を送るも、一つのチャンスから生活は次第に上向いていく。
本書は、戦前・戦中・戦後を通じた「普通の人」の一つの軌跡であると同時に、法制史や経済史などを織り込んだ、いわば「生きられた20世紀の歴史」ともなっています。
Aクラスの本を読む7「生きて帰ってきた男」(クリックすると掲載内容がご覧いただけます。)